2025.05
生まれ育った嬉野で叶えた、心温まる「茶婚式」の一日
「どうして今日だけ……」
誰もがそう思わずにはいられなかった、警報級の大雨の朝。前日も翌日も晴れ予報だった中で、結婚式当日だけの悪天候——。
けれど、新郎Sさんと新婦Hさんにとってこの日は、生まれ育った地・嬉野、お祖父様が暮らす有田で、大切な人たちに見守られながら忘れられない一日となりました。
晴れの日の舞台に選んだ、大切な場所「天茶台」
おふたりが結婚式の舞台に選んだのは、嬉野の町を一望できる高台「天茶台」。
生まれてからずっと親しんできたこの場所で、家族や友人に囲まれた晴れの日を迎える予定でした。

しかし当日は、あいにくの大雨。
挙式場所の変更を余儀なくされる中でも、「やっぱり嬉野で挙げたい」というおふたりの想いは揺らぎませんでした。
晴れの日の舞台に選んだ、大切な場所「天茶台」
一日の始まりは、新婦Hさんのご実家でのお支度から。
「列席しない家族にも花嫁姿を見てもらいたい」という想いで計画されたものでしたが、最終的にはご家族全員が挙式にご出席。それでも「せっかくなら」と、家族の思い出が詰まったご実家での支度を選ばれました。
外は大雨。それでも、ご実家の中には明るい笑い声と温かな会話が満ち、Hさんファミリーのあたたかさが空間全体をやさしく包み込んでいました。





雨天の中でも嬉野で——和多屋別荘での挙式
雨天時の予備会場として有田での挙式も検討されていましたが、最終的に相談されたのは、宿泊先でもある「和多屋別荘」さん。
急なご相談にも関わらず快く対応してくださり、鳥獣戯画のランタンが飾られた趣ある大広間が、挙式の舞台となりました。個性的なランタンに囲まれた空間は、まるで物語の一幕のよう。唯一無二の雰囲気に包まれました。

嬉野らしさを込めて——「茶婚式」
挙式は、新婦Hさんの地元愛が詰まった「茶婚式」スタイルで執り行われました。
“ちぎりの盃”として用意されたのは、嬉野茶の副島園・副島仁さんが丁寧に淹れた一杯のお茶。
お茶のいただき方に少し戸惑いながらも、見守るゲストたちのまなざしはとてもあたたかく、やさしい空気に包まれた式となりました。




家族との記念撮影——笑いに満ちたひととき
挙式後は、ご家族との記念撮影の時間に。
鳥獣戯画のランタンを背景に、新婦のお姉さまをムードメーカーに、自然と撮影会が始まりました。
家族の笑い声があふれる、かけがえのない時間となりました。





有田・arita huisでの披露宴へ
その後、披露宴の舞台は有田にある「arita huis」さんへと移動。
SさんとHさんは洋装にお着替えし、雰囲気をがらりと変えて再登場。
ゲストの皆様が待っている間には、おふたりがデザイナーと一緒に作成した「似顔絵付き席次表」にコメントを記入するひとときが。
たくさんの祝福の言葉が寄せられ、あたたかな空気に満ちていました。


お父様との入場、グーのバトンタッチ
Hさんはお父様とともにご入場。
迎えるSさんとお父様がグーでバトンタッチし、その微笑ましい瞬間に、会場全体が笑顔に包まれました。
おふたりが席につき、披露宴がスタートします。


佐賀らしさを込めた装飾と乾杯
装花は白とグリーンでシンプルにまとめ、器は有田焼きメインでの九州の焼物で統一。
それが、arita huisさんの空間にぴったりと調和し、洗練された華やかさを演出してくれました。
乾杯の一杯は、なんと副島園の新茶。
挙式に続き、嬉野茶へのこだわりが感じられる素敵な一杯となりました。

オリジナルコースと「佐賀米おにぎり入刀」
披露宴では、シェフとおふたりが打ち合わせを重ねて作り上げたオリジナルコース料理が振る舞われました。
佐賀の食材をふんだんに使ったメニューに、ゲストからも感嘆の声が。






特に印象的だったのは、ウェディングケーキの代わりに登場した「佐賀米の一升おにぎり」。
おにぎり入刀とおにぎりバイトには両家のお母様も参加され、笑顔いっぱいの時間となりました。
そのお米は、ゲストの席でもお茶漬けとして提供され、出汁の効いたやさしい味が「ほっ」と一息つかせてくれる一品に。



映像・音楽・家族の声が繋いだ時間
披露宴後半では、おふたり手作りのプロフィール映像が流れ、親族紹介へ。



続いて、新婦Hさんのお父様によるギター演奏と歌のライブ、新婦のお祖父様も加わって、会場は一体感に包まれました。
笑いと感動が交互に押し寄せる、あたたかくてにぎやかな時間が流れました。



感謝の言葉、そしてサプライズ
披露宴の締めくくりは、おふたりそれぞれからご家族へ感謝の言葉。
そして、SさんからHさんへの、感動のサプライズレター。
その一言ひとことが、会場にいたすべての人の胸に残る、特別な結びとなりました。


雨だからこそ、忘れられない一日
「雨だったけど、だからこそ忘れられない一日になった」
そう自然に口に出てしまうほどに、あたたかく、笑顔に満ちた一日でした。
大好きな場所、嬉野、有田で。
大切な人たちに囲まれて、おふたりの想いがかたちになった結婚式。
そのすべてが、これからのおふたりの人生に、きっとあたたかな光を灯してくれることでしょう。
