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ポートレイトフォトグラファーという仕事

先日ふと思ったことがありました。
いや、前から自覚はしているのですが改めて。

私は自分の職業を人に訊ねられた時、20代は「写真関係」と答えてました。
30代になりお客様に喜んで頂ける機会が増えてやっと「カメラマン」と言えるようになりました。
そして40歳手前、ここ数年は自分自身をフォトグラファーと言える(というか、なるべく言う)ようになりました。
私の中で「カメラマン」はカメラという機械を扱い報酬を得る仕事であり、そこに自分なりの価値観や表現を加えれるようになったのが「フォトグラファー」と定義しています。
そして現在、私は仕事のだいたいは一般のお客様の写真を撮るお仕事です。
ファッションや広告といった一見華やかそうな仕事ももちろんありますがメインではありません。
そして改めて思ったことは、
(一般の)「お客様を撮る。」
実はこれ、すごいことをしてるんだな。と。
例えば私のベースである結婚式。
スナップといわれる結婚式や披露宴を撮るその仕事では、まさに人生のハレの日を記録していくものです。
流れゆく時間の中で次から次へと繰り広げられるハイライトシーンを、「確実に、美しく、感動的」に撮っていかなければなりません。しかも出来る限りゲストやスタッフの邪魔をせずに。
「あっ!キスシーンが上手く撮れなかったんでもう一回いいっすか?」
なんてこと出来ません。
一瞬一瞬が勝負。時間は戻ってくれません。
そしてポートレイト。
ポートレート撮影では、例えば絵や音楽などのアートとは異なり制作時(撮影時)お客様に何かしらアクションを要求することが必要な場面が多くなります。
仮にそれがお客様にとって不快なものであったとしても、お客様は基本的に気に入らないからといってそこから立ち去ることは出来ません。
だからこそ私たちポートレイトを撮る人間はちゃんと被写体であるお客様と向き合い、知ろうとし、コミュニケーションをとって常に相手に気を向けておくことが求められます。

そこで自分にだけ気を向けることをしてはいけません。
そして結果(満足度)が全て。必ずお客様の手元に写真が受け渡されます。
そこには分からない人には分からなくていい。なんてことは決して通用しません。
ごくたまに写真をしているというだけで「芸術家なんですね。」と言われることがあるのですが
でも私は決して芸術家ではありません。
先に書いたことをまとめると、サービスマンに近いといっていいでしょう。
すごいこと。
それは「お客様を撮る。」という仕事の「重さ。」
なぜなら私はお客様の人生の戻らない時間と、その大切な写真というものを任されているのですから。
正直毎回プレッシャーで心臓バクバクです。
最後に、先日あるイベントで街行く人に声をかけてゲリラ的に撮らせて頂いた家族写真。

一緒に声をかけてくれた学生さんが撮影中に横で、「なんか分からんけど涙が出てきた。」って言ってくれてた。そしてその子は「家族っていいな。」ってもう一人の子に話しかけてました。
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私の仕事はとても幸せで光栄な仕事です。