世代と文化を越える結婚写真【ウエディングブログ】
「40年前の母の結婚写真に憧れて、クラシカルな型物写真が撮りたい」
そのようなオファーが来たのは2月のことでした。
新婦は現役のプロフォトグラファーさん。
そしてプロではないものの新郎さんは昔からフィルムカメラで現像とプリントをしているほど写真にこだわりを持っていらっしゃるそうです。
今回新婦は振袖と白無垢の2着。背景もクラシカルがテーマということで、振袖には特別に背景布を用意しました。
白無垢では私が好きな白背景で。
ここには4年前の4月にハレノヒブログで書いている文章を引用しておきます。
「……さてそのスタジオ撮影ですが、個人的にとても好きなんです。バック紙と言われる様々な色のスクリーンを使ったりするのですが、中でも白の背景が好みです。
なぜかというと、白の背景に人物がいるってことは、他に何もない分、その「ひと」を感じられるからです。その人の表情や、仕草、立ち方だけでその人を表現できるってとても素敵。
もちろん何もない背景は、ロケーションや小道具に頼ることができないので、考え方によってはとても難しいことなのだと思うのですが、でも好きなんです。……」
白の衣装に白の背景?と言われることもありますが、白背景によって無垢のイメージをさらに高めることができると考えています。
さて、今回のような二人立ち写真のことを、営業写真業界では「型物」とか「フォーマル」などと呼ばれ、ここ十数年はこのような昔ながらの写真はウエディング業界において好まれない傾向にあるようです。
飛んだり跳ねたりと楽しく撮影したり、海や山、街中などのロケーションで光の中に包まれた感動的で美しい写真など、多くのバリエーションが生まれ、結婚写真はより思い出や感動を作り上げるものへと進化を遂げました。
もちろん私もそのような写真をたくさん撮ります。
一方でこの型物と呼ばれる『婚礼衣装を着た二人が厳かに並んで写真を撮る』という写真と、親族全員で撮る『集合写真』の2カットは、結婚写真を象徴するとても大事な写真だと私は考えていて、お客様にもそう伝えています。
なぜなら「婚礼衣装を着て二人で並んで撮る」ということは世界共通、世代が変わっても結婚またはそれに準ずる誓いをしたことの象徴と映りますし、厳かさには将来への希望や喜び、また覚悟といった内なるものを感じることができるから。
また今回は撮影できませんでしたが集合写真は、両家が結ばれ家族が増えたことや祝福、両親への感謝や賞賛など、結婚をした二人の周りにいる人々の喜びや安堵などの気持ち、そして歴史を物語る象徴的なものだと思っています。
ハレノヒのウエディング写真ではそんなクラシカルに見えながらも本質的、そして先進的な婚礼写真を追い求め、これからも大事にしていきます。
新郎新婦さま、どうぞ末長くお幸せに。
何十年か後、まだ見ぬお孫さんが結婚するときに見せてあげてくださいね。
よかったらこちらの写真も一緒に。笑